【操作マニュアル】電気室・キュービクル 換気量計算の使い方|変圧器の損失から発熱量・必要換気量・換気扇の台数とガラリ面積を一度に・既設設備での室温も逆算・A4換気計算書|セコサポ
電気室やキュービクルの換気は、変圧器の損失(無負荷損・負荷損)を発熱量に直し、室温の上昇を許容値に収める換気量を出し、換気扇の台数と給気ガラリの大きさ、あるいは自然換気なら給排気口の面積を決める、という順番で計算します。数字自体は難しくないのですが、変圧器の損失値をカタログから拾い、負荷率の2乗を掛け、盤やUPSの分を足し、温度差で割って、ガラリの面風速で割る……と手順が多く、既設の換気扇やガラリで足りるかを逆算したいときは式を組み替える必要があります。このツールは、変圧器の種類・容量・負荷率・台数と温度条件を入れるだけで、発熱量 → 必要換気量 → 換気扇の台数・給気ガラリの見付面積(機械換気)または給気口・排気口の有効開口面積(自然換気)を一度に計算し、既設の換気量やガラリ面積を入れればその条件での室温も出します。変圧器の損失は 2026 トップランナー(第三次)と 2014(第二次)の代表値を内蔵しているので、容量を選ぶだけで計算が始まります。根拠つきの換気計算書はA4 1枚。登録不要で、入力内容はお使いの端末にだけ保存されます。
電気室の換気設計を設備設計者に渡す前に自分で押さえておきたい電気設計者、キュービクル更新でトップランナー変圧器に替えたときの発熱の変化を確認したい保全担当者、既設の換気扇で夏場の室温が持つか不安な現場の方におすすめです。
主な機能
- 変圧器を 種類(油入/モールド)・相(三相/単相)・容量・周波数・負荷率・台数 で追加。損失は 2026 トップランナー第三次と 2014 第二次の代表値(ダイヘン TOP ECO Ⅱ/Ⅲ カタログ、2026トップランナー変圧器 諸元比較ツールと同じ値)を内蔵。他メーカー・既設機は無負荷損・負荷損を手入力
- 発熱 = 無負荷損 + 負荷損 ×(負荷率)² × 台数。受変電盤・配電盤・コンデンサ・UPS などは「その他の発熱」として W で、または変圧器発熱の何% で追加。壁・屋根からの侵入熱も見込める
- 外気温度(夏季設計)と室内の許容温度(変圧器の周囲温度上限 40℃)から温度差 Δt を決め、必要換気量 Q = q ÷(0.33 × Δt)を計算。室の容積を入れると換気回数も表示
- 機械換気:換気扇 1台の風量から必要台数、給気ガラリの見付面積(面風速 2〜3 m/s)と有効開口面積。風量が未定なら有圧換気扇の目安表(φ20〜60cm)から必要台数を早見
- 自然換気:給気口と排気口の高低差・流量係数・有効開口率から、温度差換気の式で給気口・排気口それぞれに必要な有効開口面積と見付面積を計算。ガラリが大きくなりすぎるときは機械換気の併用を提案
- 逆算:既設・計画の換気扇の合計風量、または既設ガラリの有効開口面積を入れると、その条件での室温上昇と室温を表示し、許容温度を超えるときは警告
- 発熱量の内訳表、計算式と内訳、A4 1枚の換気計算書(条件・発熱量・必要換気量・換気設備・承認欄)を印刷/PDF保存
- 結果のコピー・共有、計算履歴の保存・CSV書き出し、入力途中の自動保存。案件名・作成者は他のセコサポツールと共有
変圧器の入れ替えで第二次と第三次の損失・寸法・質量を比べたいときは2026トップランナー変圧器 諸元比較ツール、キュービクルに新しい変圧器が収まるかはキュービクル収納可否チェッカー、電気室の機器配置は電気室・EPS収まりシミュレーターをあわせてご利用ください。
使い方
- 「1 発熱する機器」で「よく使う構成」を押すか「変圧器を追加」で、種類・相・容量・周波数・負荷率・台数を入れます。盤やUPSは「その他の発熱」で足します。
- 「2 温度と部屋の条件」で外気温度と室内の許容温度を入れます(初期値 35℃/40℃)。必要なら侵入熱と室の容積も。
- 「3 換気の方式」で機械換気か自然換気を選び、換気扇の風量・ガラリの面風速、または高低差・流量係数を確認します。既設の換気量やガラリ面積があれば入れると室温を逆算します。
- 右側(スマホでは下)に 発熱量 → 必要換気量 → 換気扇の台数・ガラリの面積(または給排気口の面積)が並びます。「計算書を印刷/PDF」でA4 1枚に。
発熱量と換気量の考え方
変圧器の発熱は、負荷に関係なく出る無負荷損(鉄損)と、電流の2乗に比例する負荷損(銅損)の合計です。負荷率 80% なら負荷損は 0.8² = 0.64 倍になるので、換気設計では想定する最大の負荷率で計算します(余裕を見るなら 100%)。2026 年の第三次トップランナー基準の変圧器は第二次より無負荷損が大きく減った機種が多く、同じ容量でも発熱が変わるため、更新時は損失値を入れ直してください。受変電盤・配電盤・コンデンサ・UPS などの損失は、まとめて変圧器発熱の 5〜10% で見込む方法と、機器ごとの発熱を W で足す方法があります。
必要換気量は、発熱量 q[W]を室内外の温度差 Δt[K]で処理するのに必要な空気量で、空気の密度 1.2 kg/m³ と比熱 1.0 kJ/(kg·K) から Q = q ÷(0.33 × Δt)[m³/h]となります(建築設備設計基準の発熱量による換気量の式)。外気 35℃ に対して室内 40℃ とすると Δt = 5 K で、発熱 1 kW あたり約 600 m³/h が必要です。Δt を大きく取れば換気量は減りますが、変圧器の周囲温度は 40℃ 以下が前提(JIS C 4304・JEC-2200)なので、室温を上げて済ませることはできません。
換気扇・ガラリ・自然換気の目安
機械換気は、排気側に有圧換気扇を置き、給気ガラリから同じ量の外気を入れるのが基本です。給気ガラリの見付面積は Q ÷(3600 × 面風速)で、面風速は 2〜3 m/s が目安(速いと雨水を吸い込みやすく、騒音も増える)。防雨ガラリに防虫網がつくと有効開口率は 30〜40% 程度です。換気扇の風量はカタログの静圧 0 Pa の値より設置状態(ガラリやダクトの抵抗)で落ちるので、必ず P-Q 曲線で確認してください。自然換気は温度差換気の式 Q = α × A’ × √(2gh × Δt ÷ T) で、給気口を下・排気口を上に置いた高低差 h が効きます。給気口と排気口を同じ大きさ A にすると相当開口面積は A ÷ √2 になるため、必要な面積は思ったより大きくなり、発熱 2 kW 程度でも片側数 m² のガラリが必要になることがあります。ツールが「ガラリが大きくなりすぎる」と表示したら、排気ファンの併用を検討してください。
よくある質問
Q. 内蔵の損失値はどのメーカーの値ですか?
ダイヘン TOP ECO Ⅱ(第二次)/Ⅲ(第三次)のカタログ代表値で、負荷損は 75℃ 基準です。メーカーや機種で数十 W 単位の差があるので、実施設計では採用機のカタログ値を「手入力」で入れてください。
Q. 屋外キュービクルにも使えますか?
使えます。「自然換気」を選び、ガラリの高低差(1.5〜2 m 程度)と有効開口率を入れてください。日射で外装が熱くなる分は「侵入熱」に見込むか、外気温度を高めに設定してください。
Q. 冷房(空調機)で処理する場合は?
発熱量 q がそのまま冷房負荷(顕熱)の目安になります。換気で処理しきれない分を空調に振り分ける検討にお使いください。
Q. 換気回数の目安は?
電気室は発熱量から決めるのが基本で、換気回数は結果として出る値です。室の容積を入れると表示するので、極端に大きい場合(数十回/h)は空調併用や機器配置の見直しの目安にしてください。
リクエスト・お問い合わせ
「発電機室の換気(燃焼用空気を含む)も計算したい」「蓄電池室の水素換気に対応してほしい」「換気扇のメーカー・機種を選べるようにしてほしい」など、ご要望があればお気軽にお問い合わせからお寄せください。
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