お知らせ

高圧(6.6kV)CVTケーブルのサイズを自動選定できる無料ツールを公開しました

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高圧(6.6kV)の受変電設備で使うCVTケーブルのサイズ選定、負荷電流と短絡耐量の両方を確認するのは手間ですよね。この「高圧ケーブルサイズ選定ツール」は、変圧器容量や敷設方法、短絡条件を入力するだけで、「負荷電流」と「短時間許容電流(短絡)」の2段階で必要サイズを自動選定し、大きい方を採用してくれる無料ツールです。計算過程の可視化や技術解説つきで、すべてブラウザだけで完結します。

このツールでできること

  • 6.6kV(3300Vにも対応)CVTケーブルのサイズを自動選定
  • 「負荷電流」と「短絡耐量(短時間許容電流)」の2段階で選定し、大きい方を自動採用
  • 敷設方法(管路/気中暗渠/直接埋設)に対応
  • 単相・三相変圧器の容量から負荷電流を自動計算
  • 短絡条件(短絡容量MVA/三相短絡電流kA/通電時間)から短絡耐量をチェック
  • 計算過程の可視化&技術解説(計算のしくみ)つき
  • 6.6kV CVT許容電流リストの表示、条件のお気に入り保存
  • 結果の印刷/PDF保存

使い方

下のツールをそのまま操作して使えます。公称電圧・敷設方法・変圧器容量・短絡条件を入力すると、負荷電流と短絡耐量それぞれから必要サイズが算出され、大きい方が選定結果として表示されます。ガイド付き入力にも対応。計算の根拠は「技術解説」で確認できます。データはお使いの端末(ブラウザ)内で処理され、外部には送信されません。

※ 選定結果はあくまで目安です。実際の設計・施工では、関連規格や現場条件を必ずご確認ください。

高圧ケーブルサイズ選定

6.6kV CVT | 負荷電流・短時間許容電流の2段階で選定

このツールでできること

高圧(6.6kV)CVTケーブルの太さを、負荷電流短時間許容電流(短絡)の両面から自動で選定します。条件を入力するだけで、必要なサイズと選定根拠がその場でわかります。

2段階で自動選定負荷電流と短絡条件の両方を満たす、最小サイズを自動で判定します。
リアルタイム計算「計算実行」ボタンは不要。入力を変えるたびに結果が即時更新されます。
選定根拠を明示STEP1・STEP2 のどちらでサイズが決まったかを、色とバッジで明示します。
許容電流リスト管路・気中暗渠・直接埋設の敷設方法別に、許容電流を一覧で確認できます。
印刷 / PDF出力条件と結果をそのまま、提出資料として印刷・PDF保存できます。
お気に入り保存よく使う計算条件をワンクリックで保存し、次回すぐ呼び出せます。

計算条件の入力

受電(公称)電圧。高圧は通常 6600V。

放熱条件で許容電流が変わります。

設備容量(変圧器容量より)

単相トランス合計 kVA(無ければ 0)。

三相トランス合計 kVA(無ければ 0)。

合計負荷電流0.0A単相 = kVA×1000 / V / 三相 = kVA×1000 / (√3 × V)
短絡条件

電力会社提示の系統短絡容量。

指定があれば kA を直接入力。

保護装置の遮断時間。例: 0.2〜2 秒。

選定結果

計算の可視化

① 許容電流チャート(STEP1:負荷電流で選定)
STEP1で選定容量を満たす容量不足合計負荷電流
② サイズ選定トラック(STEP1・STEP2 の大きい方を採用)

技術解説(計算のしくみ)

このツールは、高圧(6.6kV など)CVTケーブルの太さ(断面積 sq=mm²)を、ふだん流れる電流事故時に一瞬流れる大電流という2つの「熱」の観点から選び、その大きい方を採用します。ケーブルは細すぎると熱で絶縁体が傷むため、両方の熱に耐える太さが必要、というのが基本の考え方です。

1 負荷電流で選ぶ(ふだんの発熱に耐えるか)

電気を流すとケーブルは発熱します。細い線に大きな電流を流し続けると熱くなりすぎて絶縁体が劣化し、寿命が縮みます。そこで、ふだん流れる「負荷電流」を安全に流せる太さが必要です。各サイズには流してよい上限=許容電流が決まっているので、負荷電流以上の許容電流をもつ最小サイズを選びます。

式と根拠をくわしく
負荷電流の求め方(変圧器容量から)
単相:I = kVA × 1000 ÷ V
三相:I = kVA × 1000 ÷ (√3 × V)
合計負荷電流 = 単相分 + 三相分
  • 三相で √3 が出るのは、電力 P = √3 × V × I(V は線間電圧)の関係から I = P ÷ (√3 × V) となるためです。
  • 敷設方法で許容電流が変わるのは熱の逃げやすさ(放熱条件)の違いです。管路・直接埋設は土や管に熱がこもりやすく、許容電流が下がります。周囲温度(40℃/25℃ など)も効きます。
  • 判定:許容電流 ≧ 負荷電流 となる最小サイズを選びます。

2 短絡電流で選ぶ(事故時の一瞬に耐えるか)

万一ショート(短絡)が起きると、保護装置(ブレーカー)が遮断するまでのごく短い時間、ふだんの何十倍もの電流が一気に流れます。この一瞬で導体が急加熱するため、細すぎると損傷します。そこで「短絡電流の大きさ × 流れる時間」に耐えられる最小の太さを求めます。

式と根拠をくわしく
必要な導体断面積の式
A = √t × I ÷ 134
  • A:必要な導体断面積 [mm²]/ I:短絡電流 [A]/ t:通電(遮断)時間 [秒]
  • 定数 134 の意味:銅導体・架橋ポリエチレン(CV/CVT)で、導体温度 90℃ → 短時間許容 230℃ を前提とした熱的係数です。材質・許容温度が変われば定数も変わります(アルミ導体は小さくなる)。
  • なぜ √t と I なのか:短い時間は熱が逃げない(断熱)と考えると、発熱はジュール熱で I²×t に比例。耐えられる温度上昇は断面積で決まるので A² ∝ I²×t、整理すると A ∝ I×√t。電流が2倍なら必要断面積も約2倍、時間が4倍でも約2倍になります。
短絡電流の求め方(短絡容量から)
I [kA] = MVA ÷ (√3 × kV)
  • kA を直接入力してもOK(本ツールは MVA ⇄ kA を自動換算します)。
  • 判定:必要断面積 A 以上の最小サイズ。

最終選定 — 大きい方を採用

STEP1(ふだん)と STEP2(事故時)の両方に耐える必要があるため、2つの答えのうち太い方を採用します。どちらで決まったか=設計上のボトルネックが分かるよう、結果ではバッジと色で示し、可視化の②「サイズ選定トラック」でも採用サイズを強調しています(STEP1決定=青/STEP2決定=琥珀)。

注意:本ツールは熱的な観点の概算選定です。実際の設計では、電圧降下・将来の増設・需要率・こう長・保護協調なども検討が必要です。許容電流値や定数 134 は銅・CV/CVT を前提とした代表値のため、最終的には内線規程・JCAA 規格・メーカー公表データで確認してください。

【免責事項】本ツールは概算および教育目的のためのものです。実際の設計・施工にあたっては、必ず電気設備の技術基準や内線規程等の関連法規を確認し、有資格者による詳細な検討を行ってください。本ツールの利用により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

リクエスト・お問い合わせ

「こんな条件にも対応してほしい」「ここを改善してほしい」などのご要望があれば、お気軽にお問い合わせからお寄せください。

ABOUT ME
HARITA
HARITA
はじめまして、電気設備設計士のハリタと申します。 これまで約10年間にわたり、建築物や工場、商業施設などさまざまな建物の電気設備設計に携わってきました。照明、コンセント、受変電に至るまで、幅広い分野の設計業務を経験しており、実務の中で得た知識やノウハウを、これから同じ業界で頑張る方々へ還元していきたいと考えています。 電気設備設計という仕事は、地味に見えるかもしれませんが、建物の「心臓」とも言える重要な役割を担っています。一方で、設計基準や法令、他設備との調整、現場対応など、複雑で悩みの尽きない分野でもあります。特に業界に入って間もない方や、周囲に相談できる相手が少ないという方にとっては、設計図面の描き方一つ取っても不安や疑問を抱えながら業務を進めている方も多いのではないでしょうか。 そんな方々に向けて、私がこれまでに実際の現場や設計業務の中で学んだこと、失敗したこと、工夫してきたことを、できるだけ実務目線でわかりやすく発信していきます。基礎的な知識の整理から、図面の描き方、法令対応、社内外との調整のコツなど、日々の業務で役立つ情報を中心にお届けする予定です。 この情報発信を通じて、電気設備設計に携わる方々が「少しでも仕事が楽になった」「不安が減った」と感じられるようなお手伝いができれば嬉しく思います。そして、設計という仕事の面白さややりがいも、一緒に感じていただけたら幸いです。 これからどうぞ、よろしくお願いいたします。
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