メッセンジャーワイヤーサイズ計算ツールの使い方|ちょう架用線の自動選定
「メッセンジャーワイヤーサイズ選定ツール」は、径間・弛度・風圧とちょう架するケーブルの構成を入力するだけで、ちょう架用線(メッセンジャーワイヤー)にかかる引張張力を計算し、許容引張荷重を満たす最小サイズを自動選定するツールです。2026 年 9 月にセコサポ共通のデザインに刷新しました(式・諸元・履歴は以前の版のまま使えます)。このページでは、実際の画面を使って手順を解説します。
このツールでできること
- 径間・弛度・安全率・風圧から必要引張張力 T = W·S²/(8D)×f を計算
- 2号 亜鉛めっき鋼より線 5.5〜70 sq のうち、許容引張荷重が必要張力以上になる最小サイズを自動選定
- 風圧は甲種(980 Pa)/乙種・丙種(490 Pa)/屋内/手入力、弛度は低圧 1%/高圧 2%/手入力
- ケーブルは AE・VVF・CV・600V CVT・6600V CVT・UTP を内蔵。一覧にないものは質量と外径を手入力(カスタム)
- 図解(径間・弛度、荷重ベクトル)、計算の過程、ちょう架用線ごとの判定表、ケーブルの内訳を表示
- A4 計算書の印刷/PDF、CSV・Excel 出力、結果のコピー、計算履歴の保存
基本の流れ
①径間と条件を入れる → ②ちょう架するケーブルを種類と本数で入れる → ③右側に出る必要引張張力と選定サイズを確認する → ④「計算書を印刷/PDF」で A4 に。計算ボタンはなく、入力するそばから結果が更新されます。
STEP1:径間・風圧・弛度とケーブルを入力する

径間 S(支持点の間の水平距離)と安全率 f(既定 2.5。硬銅線・耐熱銅合金線なら 2.2)を入れ、風圧荷重と弛度を選びます。屋外は「甲種 980 Pa」、屋内は「屋内」。弛度は低圧 1%/高圧 2% が実務上の目安で、「手入力」で径間に対する%を直接指定できます。
ちょう架するケーブルは、プルダウンから種類を選んで本数を入れます(「+ ケーブルを追加」で最大 6 種類)。一覧にないケーブルは「カスタム(手入力)」を選び、1 本あたりの質量(kg/m)と仕上外径(mm)を入力してください。ケーブルを束ねて架けるときは「風を受ける幅」を手入力にすると、束の高さで風圧荷重を計算します。
STEP2:選定結果を確認する

右側(スマホでは下側)に、必要引張張力 T・選定されたちょう架用線とその許容引張荷重・合成荷重 W(自重+風圧)・弛度 D が出ます。図は径間と弛度、荷重ベクトルです。「計算の過程」には、弛度 → 自重 Ww → 風圧荷重 Wf → 合成荷重 W → 必要張力 T → 判定 の順に式と数値が並ぶので、そのまま検算に使えます。

「ちょう架用線ごとの判定」を開くと、5.5 sq から 70 sq まで各線について、その線の自重と外径を含めた必要張力と許容引張荷重の比較が一覧になります。どの線も満たせない場合は「適合なし」となり、径間を短くする・支持点を増やす・ケーブルを分ける・弛度を大きくとる といった対処を案内します。
STEP3:計算書を出力する・履歴に残す

「案件情報」に区間の名称・工事名・作成者・図番を入れて「計算書を印刷/PDF」を押すと、計算条件・ケーブル構成・図・計算・ちょう架用線ごとの判定をまとめた A4 の計算書が出ます。「CSV」「Excel」は結果と判定表・諸元の書き出し、「結果をコピー」はチャットやメールへの貼り付け用です。「履歴に保存」でこの端末に残り、「復元」で同じ条件を呼び出せます(以前の版で保存した履歴もそのまま使えます)。
技術基準のポイント
風圧荷重は電気設備の技術基準の解釈 58 条(甲種 980 Pa、乙種・丙種は甲種の 0.5 倍)、安全率は 66 条(その他の電線 2.5 以上)、ちょう架用線は 67 条(引張強さ 5.93 kN 以上または断面積 22 mm² 以上の亜鉛めっき鉄より線、ハンガー間隔 50 cm 以下、ちょう架用線とケーブル被覆の金属体に D 種接地工事)が根拠です。ツール本体の下部にも要点をまとめています。
実際に使ってみる
ツールは紹介記事に埋め込んでいます。「メッセンジャーワイヤーサイズ選定ツール」を開き、本記事の手順に沿って操作してみてください。
まとめ
メッセンジャーワイヤーサイズ選定ツールは、径間とケーブル構成を入れるだけで必要引張張力とちょう架用線のサイズが決まり、根拠となる式と数値、A4 の計算書までその場で出せます。結果は一般的なカタログ値による参考値です。最終的な選定は最新の技術基準・解釈とメーカー仕様書にもとづいて判断してください。
📘 電気設備設計の解説記事は姉妹サイト HARITAの設計室(内線規程の解説127記事・計算ツール解説)もご活用ください。
